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単位展Web連載「企業の単位」 Vol.1 株式会社 良品計画

企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」は、多くの企業・団体との恊働により実現しました。ここでは、様々な分野で私たちの生活を支える「企業の単位」にまつわるエピソードを、本展会場写真とともにご紹介します。


「単位展」展示作品『無印良品の単位』佐野文彦+無印良品
Photo: 木奥恵三

株式会社 良品計画 小山裕介、岡本和士
Ryohin Keikaku Co., Ltd. Yusuke Koyama, Kazuaki Okamoto

― 本展展示作品に生きている無印良品の「単位」は何ですか

無印良品の商品において追究しているテーマのひとつに「モジュール」があります。
本展示では、そのモジュールを単位として表現しようと考え、無印良品が持つモジュールの中心であるユニットシェルフと、シェルフに収まるように設計された商品群を使って無印良品の単位を表現しました。

― あなたのお仕事でよく使う単位を教えてください

製造小売業にとって大切な単位として「SKU」という単位があります。※SKU...最小管理単位 (Stock Keeping Unit) の略。
商品で良く使われる言葉としてシリーズという単語がありますが、シリーズは一つでも、カラーやバリエーション展開が10個あれば10SKUとなります。SKUが多ければ多い程、お客様は悩み、何が本当に欲しいのか分からなくなり、製造する側も在庫が余分に増え、無駄な商品が多く生まれる可能性があります。
無印良品において、SKUは極力少なく開発しようという想いがあります。
それは、余分な要素を極力減らす事で、なるべく省資源、省エネルギー、これでいいと思える最適な商品づくりに繋がると考えているからです。

― 無印良品らしさにつながる「単位」があれば教えてください

無印良品では日本の住宅に使われている「尺貫法」を元に、基本となる寸法を定め、大型家具から小物の収納用品に至るまで当てはめて設計しています。
その結果、無印良品の収納は無理なくきれいに収まり生活空間に溶け込みます。

― 無印良品の中にある、「単位」によって生まれる景色を教えてください

無印良品の収納箱には、木、布、紙、樹脂、竹など様々な素材のものがありますが、全て共通の基準寸法で出来ているので素材の違うアイテム同士でも自由自在に組み合わせることができ、きれいに収めることができます。

― 「単位展」ご来場者へのメッセージをお願いします

無印良品が建築家・佐野文彦さんの感性に触れ、これまでの無印良品にはなかったひとつの表現の作品となっております。収納と生活空間が一体化した壁のない空間は、日本建築の伝統的な考え方に対する無印良品としての変わらない尊敬の念と、これからの生活空間への提案を表現しています。
様々な角度から、鳥の目、虫の目でご覧いただき何かを感じ取っていただけたら幸いです。

株式会社 良品計画 Ryohin Keikaku Co., Ltd.
無印良品は1980年、当時の流通業界をけん引してきた堤 清二とグラフィックデザイナーの田中一光という、ふたりの思想の交感から誕生しました。
商品開発の基本は、生活の基本となる本当に必要なものを、本当に必要なかたちでつくること。そのために、素材を見直し、生産工程の手間を省き、包装を簡略にしました。この方針が時代の美意識に合い、シンプルで美しい商品が長く愛されてきました。