フランク・ゲーリー


Photo by John B. Carnett/ Bonnier Corporation via Getty Images

マニフェスト

まずアイデアが浮かぶ。ばかげているけど気に入る。模型をつくって嫌いになるまで見続けて、それから違う模型をつくることで、最初のばかげたアイデアを別の見方でみる。するとまた気に入る。でもその気持ちは続かない。部分的に大嫌いになって、再び違う模型をつくってみると、全然違うけど気に入る。眺めているうちに、すぐに嫌いになる。直しているうちに新しいアイデアが浮かんで、そっちの方が気に入るけど、また嫌いになる。でもまんざらでもない。どうするか? そう、また模型をつくって、次から次へとつくる。模型を保管するだけでも膨大な費用がかかる。でもどんどん続ける。次から次へと進めるうちに、ほら見ろ、最高傑作だ。輝かしく、安上がりで、今までに見たことがないものだ。だから誰も気に入らない。

悔しくて死にたくなる。ところが、神様がメッセンジャーを送り込んで皆に催眠術をかけるので、皆気に入る。そしてアイデアを盗もうとする。模型も盗んで行こうとする。頭脳や魂まで持って行こうとする。でも踏ん張って、絶対にくれてやらない。
やりたいのは、新しいアイデアを生むことだけ。たった一人で新しい模型をつくり続けたい。保管するのに膨大な金がかかるので、こんなことをしていると模型の倉庫代で破産する。これは偉大な歴史。伝説でもあり本当のことなんだ。

この続きがどうなるかと言えば、皆が嫉妬し始める。嫉妬が彼らに努力するよう仕向けるならばいいけれど、大半は台なしにするためにがんばる。そこんとこが厄介。

フランク・ゲーリー

プロフィール

Frank Gehry

カナダ・トロント育ち。1947年、家族とともにロサンゼルスに移住。1954年、南カリフォルニア大学にて建築学士を取得後、ハーバード大学デザイン大学院で都市計画を学ぶ。
その後は建築家として50年に及ぶキャリアを積み、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの各地で公共および民間の建造物を手掛けている。
アーノルド・W・ブルンナー記念建築賞、プリツカー賞、ウルフ賞芸術部門(建築)、高松宮殿下記念世界文化賞、ドロシー&リリアン・ギッシュ賞、アメリカ国民芸術勲章、 フレデリック・キースラー賞、アメリカ建築家協会ゴールドメダル、英国王立建築家協会ゴールドメダルなど、建築界で最も重要な賞を多数受賞している。

主な仕事には、スペイン・ビルバオのグッゲンハイム美術館、カリフォルニア州ロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサートホール、ニューヨーク市のエイト・スプルース・ストリート、フランス・パリのルイ・ヴィトン財団など。建設中のプロジェクトには、フランス・アルルのルマ財団、ドイツ・ベルリンのディヴァン・オーケストラ、ミシシッピ州のオーア・オキーフ美術館、カリフォルニア州メンローパークのFacebook本社 西キャンパスなど。
www.foga.com

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