ディレクター

Midori Kitamura
Photo: Lothar Schmid

北村みどり Midori Kitamura

株式会社三宅デザイン事務所 代表取締役社長
東京生まれ。フェリス女学院大学卒。1976年よりISSEY MIYAKEのアタッシュ・ドゥ・プレスとしてコレクションおよび展覧会、出版物等、三宅一生の全ての活動に携わり、一方、香水や時計等プロダクトのクリエイティブ・ディレクション、プロデュースを手掛けて現在にいたる。2008年には、21_21 DESIGN SIGHTでの「200∞年目玉商品」展ディレクターを小黒一三、日比野克彦とともに務めた。
09年より2121 DESIGN SIGHT株式会社 代表取締役社長も兼任。

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ディレクターより

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書籍 『アーヴィング・ペン 三宅一生の仕事への視点』 表紙
写真、表紙デザイン、タイポグラフィ:アーヴィング・ペン
Photograph copyright by The Irving Penn Foundation

1987年から99年まで、年2回のパリコレクションを終えるたびに、私は東京で三宅とともにコレクションの中から服を選んだ後、ニューヨークに向かいました。アーヴィング・ペンとの撮影の仕事をするためです。
三宅は自分のルールをつくり、撮影には立ち会わないと決めていました。自由で創造的な写真撮影をしてもらうために、自分が行ってはいけないと考えたのです。

ペンさんも、一度もISSEY MIYAKEのショウをご覧になりませんでした。私が東京から持ち込む服を心待ちにされており、目を輝かせて一点一点ずつ服の説明を聞いてくださいました。そして、自分の気に入った服を選び、ポーズ、フェイス、ヘア、すべてがひとつになったストーリーをつくりあげられたのです。スタッフは13年間変わらず、フェイスはティエン、ヘアはジョン・サハーグが担当しました。きれいにアイロンをかけてくれたセーディー・ホールも皆勤でした。

私にとっては、撮影は強烈な驚きの連続でした。よく知っているはずの服なのに、ペンさんのレンズの前でまったく違うものに変容していく、見たことのない世界が広がっていくのです。そして三宅はニューヨークから送られてきた写真を見て新たな表現に驚き、感動する。それが大きな刺激となり次のコレクションにつながっていきました。

三宅は声にはならない言葉をペンさんに投げかけ、ペンさんはそれを受けとめてくださる。絶妙な呼吸でコミュニケーションが成り立つ--------奇跡のような恊働の仕事の存在を展覧会というかたちで紹介します。そのプロセスと人間の創造力の素晴らしさを、この展覧会を通して感じていただきたいと思っています。

北村みどり(本展ディレクター)

*21_21 DOCUMENTSでの連載「北村みどりに聞く、展覧会のすべて」では本展ディレクターの北村みどりが語る展覧会の背景とその魅力を、3回連続でお届けしています。ぜひご覧ください。

ディレクターズインタビュー「北村みどりに聞く、展覧会のすべて」
vol. 1 ディレクターの横顔
vol. 2 撮影の一部始終
vol. 3 「見る」ことが紡ぎ出す対話

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