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「クリストとジャンヌ=クロード展 LIFE=WORKS=PROJECTS」

contents

クリストとジャンヌ=クロード展 LIFE=WORKS=PROJECTS

橋や建物を布で包み、大地に傘の花を咲かせるなどスケールの大きな作品を展開してきたクリストとジャンヌ=クロード。三宅一生と長年、交流のあった二人の軌跡をドローイング作品やプロジェクト写真で紹介、その根底に宿る美しさへの情熱にも目をむける。二人の活動に長年かかわってきた美術評論家、柳 正彦が監修した。
会期 2010年2月13日(土) - 4月6日(火)

ディレクターズ・メッセージ

「クリストとジャンヌ=クロード展 LIFE=WORKS=PROJECTS」のスタートは21_21 DESIGN SIGHTのディレクターの一人、三宅一生氏のもとにニューヨークから届いた、ジャンヌ=クロードの悲しい知らせだった。
二人と30年以上にわたり交流があるイッセイさんから、ジャンヌ=クロードへの追悼とこれからのクリストの活動を応援する展覧会の提案があったのは、悲報からわずか数日後のことだった。その提案に対し、数分のうちに「喜んでお受けしたい」というクリストからの返事が届いた。

現代美術の世界でも特にユニークな活動を続けてきている二人の、これまでと現在、これからを紹介するために、3本の柱をもつ展覧会のイメージが浮かんだのは、ごく自然なことだった。
第一に二人が実現してきたさまざまなプロジェクトを記録した写真、第二にプロジェクトの構想段階でクリストが描いたドローイングやコラージュ、そして二人の盟友であるメイゼルズ兄弟が制作した記録映画の上映だ。

それぞれが、展覧会タイトルにある「プロジェクト」「ワークス」「ライフ」に対応する部分である。このタイトルは、昨秋出版された拙書の書名として、クリストとジャンヌ=クロードが提案してくれたものだった。「私たちにとって、この3つは同等のものです。だから必ずイコールで結んでもらいたい」というコメントが付されていた。
その意を本展でも考慮し、「ワークス」と「プロジェクト」の間を行き来しながら、二人のつくり出してきた美のスケールや緻密さを感じ取ってもらえるよう、ドローイング作品を見ながら大判の写真群が参照できるような展示を考えた。それが実現できたのは、この展示空間ならではのことだろう。

「ライフ」に関する展示は映画という性格上、独立したスペースで行わざるをえず、他の2つの要素とのつながりをつくりにくい。それを補ってくれるのが、本展のグラフィックを担当してくださった佐藤 卓さんの提案で制作した大判の年譜だ。クリストとジャンヌ=クロードの創作の流れと時間の重みを、さらには二人の「ライフ」がまさに「ワークス」、「プロジェクト」と同一である事実を、直感的に把握させるものとなった。
会場は年代を追った展示になっているが、それにこだわることなく、ドローイングを展示した壁面と写真を展示した壁面、さらには年譜を行き来するようにして、展覧会を楽しんでもらうことも可能だろう。
そして、時間が許す限り、記録映画も楽しんでいただきたい。

柳 正彦

開催概要

主催
21_21 DESIGN SIGHT、財団法人 三宅一生デザイン文化財団
特別助成
駐日アメリカ大使館
後援
港区
協賛
井上雅靖、井上直美、三井不動産株式会社
協力
キヤノンマーケティングジャパン株式会社、フジテレビジョン、ギャルリー サン・ギョーム、原美術館、札幌宮の森美術館 NPO法人CAPSS芸術文化事業支援機構
展覧会ディレクター
柳 正彦
企画
三宅一生、佐藤 卓、深澤直人
企画協力
川上典李子
グラフィックデザイン
佐藤 卓