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「10人でできること Vol.5/展覧会企画チーム インタビュー 菅 俊一」

2014年11月、企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」に向けて、展覧会チームの中心メンバー10人が集い、様々な「10人でできること」を試みました。その様子を、展覧会企画チームの単位にまつわるエピソードとあわせて紹介します。


Photo: 川瀬一絵

10人でできること:「指を使ってマンホールを測る」

展覧会チーム10人の指でマンホールの円周を測ると、1周まであと少し。

「親指と人差し指を直角に広げたときの両指先を結んだ長さを『咫(あた)』といいます。一般的に1咫は、その人の身長の10分の1程度の長さです。
ただし、写真では指を直角以上に広げていますので、これは『咫』ではありません。」
(「単位展」学術協力 星田直彦)

展覧会企画チーム インタビュー 菅 俊一/コンセプトリサーチ

― 小さい頃の単位の記憶を聞かせてください。

幼稚園の頃に、家にあった薄い木の板を使ってドミノ遊びをするのが好きでした。「ここを曲がるには4枚だけど、あそこを曲がるには8枚必要」とか考えながら、限られた枚数の板をやり繰りしていたことが、単位の概念を使っていた一番古い記憶のように思います。

― 「単位展」に関わって、単位についてのイメージは変わりましたか。

得体の知れないものを、理解可能なもの・具体的なものにするというのが科学やデザインが社会にもたらしている機能の1つだと思うのですが、単位は、特にそういう「見えないものを扱う」ために重要な人間の生み出した知の道具だと思うようになりました。

― 「単位展」に来場された方へ、メッセージをお願いします。

「単位」という考え方で私たちの身の回りを改めて見てみると、多くの人たちの想いや工夫が積み重ねられた結果、今の生活や社会が作られているということがとてもよく分かります。「単位展」を観た後、みなさんの目が単位モードになって、普段と違った見え方ができるようになっていたら、幸いです。

菅 俊一:
研究者/映像作家/多摩美術大学美術学部統合デザイン学科講師。1980年東京都生まれ。人間の知覚能力に基づいた 新しい表現の在り方を研究し、映像や展示、文章をはじめとした様々な分野で活動を行なっている。主な仕事に、NHK Eテレ「2355/0655」ID映像、modernfart.jp「AA'=BB'」、DOTPLACE「まなざし」、著書に『差分』(共著・美術出版社)、『まなざし』(ボイジャー)。主な受賞にD&AD Yellow Pencil受賞など。
http://syunichisuge.com/

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