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2015年12月 (8)

開催中の企画展「建築家 フランク・ゲーリー展 "I Have an Idea"」では、フランク・ゲーリーにまつわる書籍とともに、ゲーリーと親交のある3名が彼の作品や仕事を語るインタビュー映像を閲覧できる図書コーナーを設けています。

21_21 DOCUMENTSでは、そのうちのインタビュー映像「フランク・ゲーリーについて」を紹介。
「ものづくりにゴールはない」と語る建築家 西沢立衛が、世間の常識に挑戦し続けるゲーリーの姿勢と、現在進行形で展開してゆく彼の建築の「創造性」について考えます。

2016年6月24日から開催される21_21 DESIGN SIGHT企画展「土木展」(仮称)の展覧会ディレクター 西村 浩が、1月31日まで水戸芸術館 現代美術ギャラリーで開催中の展覧会「3.11以後の建築」の関連プログラムとして、レクチャー&ワークショップ「展示室を芝生でリノベーション」を開催しました。

「3.11以後の建築」は、建築史家の五十嵐太郎とコミュニティーデザイナーの山崎 亮をゲスト・キュレーターに迎え、東日本大震災後の社会の変化に自分なりの考え方や手法で向き合う21組の建築家の取り組みを紹介する展覧会です。これからの日本において、建築家がどのような役割を果たし、どのような未来を描こうとするのか、批判と期待の両方の視点で構成されています。

建築家の西村 浩と彼の率いる設計事務所ワークヴィジョンズは、展覧会終盤の「建築家の役割を広げる」というコーナーで、<Re-原っぱ>を展示。「空き地が増えるとまちが賑わう?」という逆説的なコンセプトのもと、西村の出身地でもある佐賀市中心部の駐車場等を「原っぱ」にすることで、市街地にこどもからお年寄りまでが集まってくるという実験的な試み「わいわい!!コンテナプロジェクト」を紹介しています。

2015年12月5日に行われたレクチャーでは、はじめに西村が、21世紀という新しい時代における新しいまちづくりや建築のあり方について、ハードとしての建造物には限界があり、仕組みや人というソフトづくりが最も重要であると解説。実験と挑戦、豊かな想像力、そして発想と発明が何よりも大切だと熱く語りました。続くワークショップでは、参加者全員で展示室内に人工芝を敷く作業を行い、芝生を貼るだけで世界が変わるという体験を共有しました。

社会の様々な問題を解決することが建築家の役割であると断言する西村。現在21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「建築家 フランク・ゲーリー展 "I Have and Idea"」と同様に、発想、発明、そしてアイデアの力の重要性を感じさせる、充実した展覧会とレクチャー&ワークショップでした。

水戸芸術館「3.11以後の建築」

2015年11月7日(土)-2016年1月31日(日)

>>水戸芸術館 ウェブサイト


「3.11以後の建築」展 会場風景
撮影:根本譲
提供:水戸芸術館現代美術センター

開催中の企画展「建築家 フランク・ゲーリー展 "I Have an Idea"」では、フランク・ゲーリーにまつわる書籍とともに、ゲーリーと親交のある3名が彼の作品や仕事を語るインタビュー映像を閲覧できる図書コーナーを設けています。

21_21 DOCUMENTSでは、そのうちのインタビュー映像「フランク・ゲーリーについて」を紹介。
安藤忠雄が、時代と対話しながらつくられ、時代を牽引するフランク・ゲーリーの作品が建築界に与えた影響や、自身とゲーリーとの交流の思い出を語ります。

開催中の企画展「建築家 フランク・ゲーリー展 "I Have an Idea"」は、世界的に活躍する建築家 フランク・ゲーリーの「アイデア」に焦点をあて、アイデアが生まれる背景や完成までのプロセスを、数々の模型や、建築空間を体験できるプロジェクションを通して紹介しています。
ここでは本展技術監修を務める遠藤 豊による紹介映像で、会場の様子をご覧いただけます。

開催中の企画展「建築家 フランク・ゲーリー展 "I Have an Idea"」では、フランク・ゲーリーにまつわる書籍とともに、ゲーリーと親交のある3名が彼の作品や仕事を語るインタビュー映像を閲覧できる図書コーナーを設けています。

21_21 DOCUMENTSでは、そのうちのインタビュー映像「フランク・ゲーリーについて」を紹介。
ゲーリーの代表作のひとつである「ウォルト・ディズニー・コンサートホール」の音響設計を手がけた豊田泰久は、設計当時の逸話や、ゲーリーと日本文化の関わりについて語ります。

現在開催中の企画展「建築家 フランク・ゲーリー展 "I Have an Idea"」が、イタリアのウェブサイト『domus』に紹介されました。

>>domus


『domus』

現在開催中の企画展「建築家 フランク・ゲーリー展 "I Have an Idea"」に関連して、『Casa BRUTUS』12月号の30ページにわたるフランク・ゲーリー特集の中で、本展ディレクター 田根 剛による展覧会ガイドが掲載されました。


『Casa BRUTUS』12月号

2015年11月28日、建築家 塚本由晴と哲学者 柳澤田実が登壇し、「トークシリーズ『I Have an Idea』第2回 "でこぼこ" 機能とかたちについて」を開催しました。

対談は、柳澤によるゲーリーの考察から始まりました。柳澤は、ゲーリーが自らの建築に対して語った「従順でないが思いやりのあるもの」「コントロールされたカオス」というフレーズを挙げると、ゲーリー建築には様々な行為を促す余白の部分が多いと話し、その背景には「他者の行為可能性の増大を援助する」というアメリカ的なプラグラティズム(実用主義)があるのではないかと話しました。さらに柳澤は、ゲーリーが古典絵画に傾倒していることに着目。絵画上の「情念のせめぎ合い」が建築のコンポジションへと変換されているという見解を語りました。
対して塚本は、「建築家はものごとを整理しがちだが、ゲーリーはどんどん複雑化し、エントロピー(エネルギーが自然に流れる向きを表す指標)を増やしながらも、ぎりぎりのところでバランスを保ち、動的平衡を建築の世界に取り込んでいくのが面白い」と応じました。

続いてトークは、本日のテーマである"でこぼこ"という言葉に移ります。ゲーリー建築にみられる「でこぼこ」としたかたちに対し、「(ゲーリーは建築を通して)概念と物質の間で遊んでいる」と言う塚本。ゲーリーは、概念を物質に劣ることなくかたちとして実現する「隙間」というデザイン言語をいち早く見出したのだと言います。続けて、柳澤は「遊びごころだけでなく、かたちへの強い意志、肉々しさや、情動が凝固されたパワーを感じる」と述べました。

ゲーリー建築を通して、現代の日本社会における建築の有りようにも触れられた今回の対談。ゲーリーの存在が、建築における大きな指標となっていることを改めて知る機会となりました。