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身の回りのかたちを描いてみよう

サマースクール「デザインのコツ」:社会



3時限目「社会」の授業では、本展ディレクターの山中俊治が、身の回りのものの形と構造、そしてそれらと社会とのつながりを体感するためのスケッチ教室を開催しました。

まず参加者それぞれが鶏を描いてみることからスタート。人間の脳は特徴を抽象化して記憶している場合が多いため、何も見ずに鶏を描くには、たとえば足の仕組みを考えて描くと描きやすいと山中は指摘します。画家が物体のディテールを細かく見るのは、その物体の仕組みや構造を正確に捉えるという目的があるのです。次に、「公共空間にあるもの」を題材に、信号、そして普段私たちが使用しているSUICAの自動改札機を描きました。山中は、SUICAの形状の説明に加え、10年前にJR東日本に依頼されて始動したSUICAの開発プロセスについて、映像とともに語りました。開発や制作にあたり丁寧な実験をすることでデザインが社会性を獲得するとし、デザインとアートの違いにも触れました。



続いて、大根おろし器。山中はGマークを受賞したOXO社の大根おろし器の開発の経験を通して「私達が知っているもの、いつも使っているものを丁寧に観察していくこと」こそが、道具に変化をもたらすきっかけと成りうると言います。
最後は、山中が参加者の質問とリクエストに応えて人間の走る姿や手、自動車等を描くコツを披露しました。