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21_21 DESIGN SIGHT企画展 in 台北
単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい? ―

2015年に開催し、好評を博した21_21 DESIGN SIGHT企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」の台北での開催が決定しました。
2016年7月1日より、松山文創園區 五號倉庫で開催されます(主催:啟藝文創 INCEPTION CULTURAL & CREATIVE Co., Ltd.)。単位というフィルターを通して、私たちが普段何気なく過ごしている日常の見方を変え、新たな気づきと創造性をもたらした「単位展」が、台湾でどのような拡がりを見せるのか。ご期待ください。


「21_21 DESIGN SIGHT企画展 in 台北 単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい? ―」メインビジュアル

21_21 DESIGN SIGHT企画展 in 台北
単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい? ―

会期:
2016年7月1日(金) - 9月16日(金) 会期中無休
開館時間:
10:00〜18:00 (入場は17:30まで)
会場:
松山文創園區 五號倉庫(台北市信義區光復南路133號)
Songshan Cultural and Creative Park Warehouse Five (No.133, Guangfu South Road, Xinyi District, Taipei City, Taiwan)
入館料:
前売り 200NT$、一般 280NT$、学生 250NT$、65歳以上もしくは障害者手帳をお持ちの方140NT$、7歳以下 無料
主催:
啟藝文創 INCEPTION CULTURAL & CREATIVE Co., Ltd.
企画:
21_21 DESIGN SIGHT

「雑貨展 出展者によるトーク2 小林和人×小林 恭・マナ×たかはしよしこ」を開催

2016年5月22日、展示作品「12組による雑貨」の出展者、小林和人(Roundabout, OUTBOUND)と、小林 恭・マナ(設計事務所ima)、たかはしよしこ(S/S/A/W)によるトークを開催しました。

生活日用品を扱うRoundaboutはその名の通り、様々なものが行き交う交差点のような場所になればと考えてはじめたという、小林和人。自身が運営するもう一つの店、OUTBOUNDも含め、機械生産のものから手仕事のものまでジャンルを問わず扱っていながら、そこには、「ものには、機能と作用の両方が備わっている」という考えが通じています。雑貨とは、皮をめくっていくうちに消えてしまうらっきょうのようなものではないか、と例える小林和人は、それが雑貨かどうかは、そのものの置き方によっても決まると自身の「雑貨観」を述べました。

小林 恭・マナも、普段、設計事務所imaとして「ものを、雑貨を、どのように置くか」を考える仕事をしています。そこに置かれるものを出発点とした、展示空間や店舗など国内外での事例からは、つくり手と選び手がその生活感を共有するという、雑貨の一面を見ることができました。また、本展出展作品「ケンセツザッカテン」では、二人の専門である建設の専門道具から、雑貨"とも言える"ものを集めたと語りました。

フードデザイナー たかはしよしこは、本展出展作品で、会場に自身のアトリエ「S/S/A/W」を再構築しています。料理を専門とするたかはしにとって、「S/S/A/W」の名の通り、季節は大事な要素であるといいます。本展のために会場に運び込まれた雑貨にも、共通して自然の素材を使ったものが集まりました。この、雑貨を集めてアトリエを再構築するという行為を通じて、たかはし自身、自分の好きなものを捉え直すことになったと語りました。

異なる分野で活躍する三者がそれぞれの世界観を語り、来場者と共有する、和やかなトークとなりました。

トーク「欲しいもの、持っているもの」を開催

2016年5月14日、企画展「雑貨展」ショップ監修の山田 遊と、Sumallyの代表を務める山本憲資によるトーク「欲しいもの、持っているもの」を開催しました。

本展展示作品「雑貨展のWANT or HAVE」では、会場に展示された雑貨の一部をウェブサービスSumallyを通して紹介しています。このサービスでは、それぞれのユーザーが、Sumally上に紹介されているモノに対し、「want it」もしくは「have it」のいずれかを選択することで、他のユーザーとモノの情報を共有できます。雑貨展では、公式Sumallyアカウントを設け、それぞれのユーザーが展示された雑貨の情報を共有できるようになっています。

トークは雑貨展の展示内容と、雑貨展コンセプトショップ「雑貨店」の関係性に触れられつつ進行しました。現代の情報の在り様と、そこから派生するモノの選び方と買い方。時代の動きの中で、なぜウェブサービスSumallyを生み出したのか。そして今、人々はどのような手段を使って情報を得て、モノを自分の生活の中へ取り込むのか。モノを売る人、情報を扱う人、それぞれの視点で語られました。これからどのようにモノと付き合っていくのか、その未来像が浮かび上がる内容となりました。

21_21 DESIGN NIGHT 特別企画「『何に着目すべきか?』」を開催

2016年4月28日、21_21 DESIGN NIGHT 特別企画「『何に着目すべきか?』」を開催しました。雑貨展企画チームの橋詰 宗が、加藤孝司、木村稔将、古賀稔章とともに行なう不定期イベント『何に着目すべきか?』。今回は雑貨展に合わせ、本展の参加作家や出展者を交えた3部構成の特別バージョンとなりました。

本展参加作家の菅 俊一、野本哲平を迎えた[第1部]「雑貨の発見」、[第2部]「雑貨整理学」。何気なく使っている道具や日用品が、いかにして雑貨となるのか、さまざまな空間にあふれる雑貨をどのように整理整頓すればよいのか、などを議題に、菅や野本の作品に触れつつトークを行ないました。

そして、[第3部]「雑貨な音楽」では、本展出展者の小林和人(Roundabout, OUTBOUND)を迎えるとともに、彼の持参したレコードをBGMに、21_21 DESIGN SIGHTが架空のラジオスタジオに変身。ゴールデンウィークのはじまりに相応しい、賑やかな一夜となりました。

「雑貨展 出展者によるトーク1 清水久和×町田 忍」を開催

2016年4月23日、「雑貨展」出展者がそれぞれの視点から「雑貨」を語るトークシリーズの第一弾、「雑貨展 出展者によるトーク1」を開催しました。誰もがどこかで見たことのあるようなアイテムを一堂に集めた作品、『愛のバッドデザイン』を出展しているプロダクトデザイナーの清水久和と、昭和30年代から続くパッケージコレクション、『キッチュな生活雑貨パッケージ』を出展する庶民文化研究家の町田 忍。バックグラウンドは異なれど「雑貨」に精通するふたりの目利きが、「雑貨」にまつわる熱い想いを語りました。

鉛筆削りの内側はどうなっているんだろう...?身の回りにある機械を分解し、中身を見ないと気が済まなかったと子ども時代を振り返る清水。手掛けたデザインについて「どれが本業で?」と尋ねられるほどに多様なその作品群も、自身の中で常に一貫していると話します。共通して根付いているというのが、鉛筆削りの内側を覗いたときの感動のような、いわば取るに足らない小さな記憶。デザインリサーチ活動『愛のバッドデザイン』も、そんな記憶の延長線上にあることを語りました。

自身のコレクションの原点が、幼少期に仲間と戦って勝ち取った「めんこ」にあると話す町田。『キッチュな生活雑貨パッケージ』も同様、子どもの頃に集めていた「めんこ」のように、展示している一点一点に強い想い入れがあることを語ります。初めてオレンジジュースを飲んだときのこと、東京オリンピック観戦に行ったときのこと、町田のコレクションも自身の記憶と深く結びつき、それぞれのモノに潜む歴史を知る楽しさ、モノをきっかけに広がる会話の面白さに加えて、「雑貨」を通じて生み出される一連の「ドラマ」こそに大きな魅力があることを強調しました。

川上典李子による「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」レビュー(後編)

21_21 DESIGN SIGHTディレクターの一人でデザイナーの三宅一生の仕事を紹介する展覧会「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」が、国立新美術館にて開催されています。開幕初日の会場を訪れた同アソシエイトディレクターの川上典李子が展覧会の見どころをレポート。後編では、各界で活躍する人々のコメントを紹介します。

>>前編に戻る

開幕初日の会場で、21_21 DESIGN SIGHTの企画に関わってくれた多くの方々にも再会できました。「インスピレーションはもちろん、勇気をも周囲にもたらしてくれるイッセイの仕事を賞讃したい。これほどクリエイティブなチームの存在も希有なこと」と展覧会の感想を語ってくれたのはリー・エデルコート氏(2009年、企画展 リー・エデルコート ディレクション「ポスト・フォッシル:未来のデザイン発掘」展ディレクター)。

「U-Tsu-Wa/うつわ ― ルーシー・リィー、ジェニファー・リー、エルンスト・ガンペール」(2009年)出展作家のエルンスト・ガンペール氏は瞳を輝かせながら次の感想を伝えてくれました。「イッセイが大切にする"素材との対話"に満ちています。また、発想を現実化し人々に届けてこそデザインの仕事であるということ。僕が教えてもらった大切なそのことを、この展覧会では多くの人が受けとめることでしょう」。

「会場の最初から最後まで、すべてがつながっている。イッセイとチームの好奇心がすべてに貫かれている!」とはデザイナーのロン・アラッド氏(2008年、第3回企画展 三宅一生ディレクション「XXI c. ―21世紀人」出展作家)。

「三宅一生のMaking ThingsはMaking Think、そしてMaking Reality。デザインはもちろん"次"をきり拓く幅広い動きの原動力になっている」。彼らと話しながら、私もわくわくしていたひとりです。そう、これこそが「喜びをもたらす服を」と考える三宅とチームのエネルギー! 躍動的な空気で満たされた会場で私は、21_21 DESIGN SIGHTが始動した9年前、三宅が記していた次のことばも思い起こし、改めてデザインとは何か、その可能性を考えていました。

「人間がいるところには必ずデザインが存在するし、生きていることがデザインであることを多くの人と分ちあっていきたい。だから始めようということです」

文:川上典李子


国立新美術館「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」 展示風景(撮影:吉村昌也)

国立新美術館「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」

2016年3月16日(水)- 6月13日(月)
休館日:火曜日(ただし、5月3日は開館)
会場:国立新美術館 企画展示室2E
開館時間:10:00 - 18:00 金曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
観覧料(税込):当日 1,300円(一般)、800円(大学生)/前売・団体 1,100円(一般)、500円(大学生)

主催:国立新美術館
共催:公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団、株式会社 三宅デザイン事務所、株式会社 イッセイ ミヤケ
お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

>>国立新美術館 ウェブサイト

川上典李子による「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」レビュー(前編)

21_21 DESIGN SIGHTディレクターの一人でデザイナーの三宅一生の仕事を紹介する展覧会「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」が、国立新美術館にて開催されています。開幕初日の会場を訪れた同アソシエイトディレクターの川上典李子が展覧会の見どころをレポート。前編では、会場の様子をお伝えします。

国立新美術館(六本木)で「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」が開幕しました。三宅一生が活動を開始した1970年に遡り、現在進行形のプロジェクトまで、厳選された百数十点の服や本展のための映像、インスタレーションを含む構成となっています。

会場を入ってすぐ、吉岡徳仁が手がけた紙のグリッドボディで紹介されているのは1970年代の12着。服は第二の皮膚であるということを示すタトゥの柄をプリントしたボディウエアや三宅が一貫して取り組む「一枚の布」を象徴するコクーン・コート、日本に伝わる刺し子や丹前、作業着にも着目し、独自に発展させた服......。衣服を身体から探り、産地や企業との素材開発やアーティストとの恊働にも積極的な三宅の活動の始まりを一望できます。

続くセクションでは、透明樹脂のグリッドボディを用いた吉岡のインスタレーション。プラスティック・ボディやラタン・ボディ、ウォーターフォール・ボディなど、1980年代の「ボディ」シリーズから、幅広い素材や技術を試みながら身体と服との関係を問い続ける三宅の視点が伝わってきます。

その先に待つのは三宅とチームの試みを紹介する広々とした空間、佐藤 卓の構成です。製品プリーツのマシンを用いた「IKKO TANAKA ISSEY MIYAKE」の制作実演もあり、「132 5. ISSEY MIYAKE」に関しては、独自の「折り」に触れることのできる工夫も。試行錯誤のうえで創出してきた服づくりの手法やプロセスをあえて公開するということ。そのことに対する三宅の想いもまた考えずにはいられません。記者会見で三宅は語っていました。「子どもから大人まで、自分もつくりたいと創造意欲をかきたてられるような展覧会にできたと思う」。

出会いと発見の多い庭を巡るような楽しさに驚かされながらこの会場で知るのは、幅広い世界への好奇心にもとづく柔軟な発想、チームの存在、企業との恊働によって、美しく、心に響き、喜びに満ちたデザインを現実のものとしてきた仕事です。

「素材は無限」と一本の糸に遡っての素材の研究や実験を重ね、手の仕事や伝統と現代のテクノロジーを融合させ、他分野の人々も積極的に招きながら革新的でありながらも実用的な服を探る。そのすべての時間が生き生きとした力となって、現在から未来へ、さらに次なる状況を拓こうとしている様子も伝わってきます。

文:川上典李子
>>後編へつづく


国立新美術館「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」 展示風景(撮影:吉村昌也)

国立新美術館「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」

2016年3月16日(水)- 6月13日(月)
休館日:火曜日(ただし、5月3日は開館)
会場:国立新美術館 企画展示室2E
開館時間:10:00 - 18:00 金曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
観覧料(税込):当日 1,300円(一般)、800円(大学生)/前売・団体 1,100円(一般)、500円(大学生)

主催:国立新美術館
共催:公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団、株式会社 三宅デザイン事務所、株式会社 イッセイ ミヤケ
お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

>>国立新美術館 ウェブサイト

トーク「雑貨展企画チームによる雑談」を開催

2016年3月26日、企画展「雑貨展」の展覧会企画チームより、井出幸亮、中安秀夫、橋詰 宗、熊谷彰博、荒井心平(NAOTO FUKASAWA DESIGN)、山田 遊(method)、前村達也(21_21 DESIGN SIGHT)が登壇し、トーク「雑貨展企画チームによる雑談」を開催しました。

展覧会準備の初期段階で、各々がイメージしていた「雑貨」をそれぞれ語るとともに、展示作品「雑貨展の雑貨」のモノたちにまつわるエピソードを交えつつ、本展のグラフィックや会場などが出来上がっていくさまを語りました。

本展に対し、「雑貨という答えのないゴールに、それぞれどう登ったのか、垣間見られるのが面白い」と橋詰が語ったように、「雑貨」のもつ多様性や魅力を、企画チーム、参加作家、出展者がどのように向き合ったのかを垣間みることのできる、バラエティに富んだ雑談となりました。

「雑貨展」特別対談 深澤直人と葛西 薫が語る「雑貨」(第4回)

開催中の企画展「雑貨展」で、展覧会ディレクターを務めたプロダクトデザイナーの深澤直人と、展覧会グラフィックを手掛けたグラフィックデザイナーの葛西 薫。分野は異なれどデザインに通じ、「雑貨」に深い関心を持つ二人が、展覧会オープン前日の会場をともに回りました。
会場に並ぶ数々の雑貨や作品をきっかけに、二人が「雑貨」への思いを語る様子を紹介します。

>>第3回へ戻る

深澤:最近、自宅のキッチンとリビングに綺麗なデザインの棚を置いたんですけど、そこにどういう順番でモノを置いていくかということが最初はなかなか決まらないんです。だけど生活し始めて、何か一個のモノを置くと、それがひとつの定義付けとなり、次に置くモノが決まって。その繰り返しの中で、「これはこっちに移動しなくては」とか、そこに置くモノや配置がどんどん変わってきて、だんだん収まってくるようになる。砂を振るうと大きな粒と小さな粒とに分かれるように。コーヒーカップとティーカップだとか、それぞれのモノに力関係があるんですよね。そこに磁力のようなものを感じることがある。

葛西:僕も最近引っ越したので、よくわかります。可動棚をつくることになって、棚を置く位置を決めなきゃいけないんだけど、まだモノがどのように置かれるのかがわからないから、なかなか決められなくて。それで先日、ひとつの枠だけにあえて絵を入れたんです。そうするともう他のモノを置けないから、本はあまり置かなくなってしまって。結果、そこがステージになりましたね。一種の神棚的な雰囲気が出てきました。

深澤:何も置いていない棚は綺麗でも、そこに本をびっしり入れすぎちゃうと、棚は消えて「本の壁」になっちゃいますよね。でもそこに1冊2冊だけ本を置いて、隣に何か違うものを置くと、棚はステージになる。こういうところに雑貨の「美」があると思うんです。例えば、絵を置いたら、その絵を入れるフレームだったり、その隣に置いてあるペットボトルだったり灰皿だったり、そこにひとつのストーリーが自然にできてしまう。

葛西:生活する内に、どんどん好きなものとか必要なものが増える中で、それらのモノには「間」みたいなのもあって。並べていくと何となく優先順位があるんですね。これは役に立たないけれども手元に置いておきたい、とか。無意識の判断なのかもしれません。上手く言えませんが、「そこにあると落ち着く」という、適切なポジションみたいなものがある。ただ、それは人それぞれの感覚であって。この展覧会を見ても、それぞれの人にその人なりの素晴らしい世界があって、個人個人で違うことははっきり分かりますね。「いいなあ」と思ったりもするけれどやっぱり「僕ではないなあ」みたいな。お互いさまだよなあと思ったりします。

深澤:並べ方によっても、印象がまったく変わりますからね。今回の展示では『松野屋行商』の荷車のような、まさに「雑多」なものを一気に凝縮して集めた部分と、お店のように雑貨をきちんと一個一個、綺麗に並べているような部分とがあって、そこにはまた違った味がある。そのコントラストこそがこの展覧会の面白さ。ある意味では来場者を困惑させながらも、納得させるものがあるんじゃないかと思っているんです。

構成・文:井出幸亮
写真:大谷宗平/NACASA&PARTNERS, Inc.

「雑貨展」特別対談 深澤直人と葛西 薫が語る「雑貨」(第3回)

開催中の企画展「雑貨展」で、展覧会ディレクターを務めたプロダクトデザイナーの深澤直人と、展覧会グラフィックを手掛けたグラフィックデザイナーの葛西 薫。分野は異なれどデザインに通じ、「雑貨」に深い関心を持つ二人が、展覧会オープン前日の会場をともに回りました。
会場に並ぶ数々の雑貨や作品をきっかけに、二人が「雑貨」への思いを語る様子を紹介します。

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葛西:子どもの頃、文房具屋に行くのが好きだったんですよね。ちまちましているものが好きで(笑)。今でもそういうところがあって、必要もないのに買ってしまうんですけども。昔、僕が中学生とか高校生とかのころに。セーラーの万年筆で「セーラー・ミニ」というのがあったんですよ。閉じると短くなってて、かっこ良かった。

深澤:サイズが小さくなると、急に魅力的になったりしますよね。実は今回の展覧会で、僕が台湾で見つけてきた、サントリーのウイスキーの角瓶の小さいのを展示しているんです。雑貨展の企画が始まるときに、頭の中で「雑貨、雑貨」と思いながら歩いていたときに見つけまして。なんかかわいいんですよね。これは台湾のコンビニで売るためにこういうサイズになったもので、デザイン的な観点で小さくしたわけでないんでしょうけれど。

葛西:僕も今日、自分なりの「雑貨」を持参してきました。これは僕がデザイナーになろうと東京に来てはじめて買った色鉛筆。これはよくできていて、40数年使っていてまだ使い切らないんです。あとこれも1970年代くらいのもので、伊東屋で手に入れたテープカッター。テープがさっとつかめて、今も愛用していています。復刻販売して欲しいですね。これはただ土産物屋で買ったんですけど、パーカーのインクの入れ物。こっちは本の装丁用の道具。僕は自分で束見本を作るときに、糊をつけてぎゅっと締めて使う。なかなか実用的なんです。

深澤:葛西さんが持っているからこそ雑貨になった、というモノたちですね。とても面白い。

葛西:僕にとっての雑貨は「たわし」みたいな、実用的なモノの中にあるんだろうな。ただ、ひとつひとつのものの魅力とは別に、それらをこうして並べていくことで、また違った見え方をするのが面白いですね。

>>第4回へつづく

構成・文:井出幸亮
写真:大谷宗平/NACASA&PARTNERS, Inc.

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