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21_21 DESIGN SIGHTウェブサイトでは、建築内部やこれまでに開催した展覧会の一部を、パノラマツアーで紹介しています。360度見回すことができる写真や動画で、館内の様子をお楽しみください。

>> 21_21 DESIGN SIGHT館内

Photo: 吉村昌也/Nacasa&Partners, Inc.

>> 企画展「コメ展」
会期:2014年2月28日 - 6月15日
展覧会ディレクター:佐藤 卓、竹村真一

Photo: 淺川 敏

>> 企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」
会期:2015年2月20日 - 5月31日
企画:中村至男、鈴野浩一(トラフ建築設計事務所)、稲本喜則(AXIS)、岡本 健、菅 俊一、寺山紀彦(studio note)、前村達也(21_21 DESIGN SIGHT)

Photo: 木奥恵三

>> 企画展「雑貨展」
会期:2016年2月26日 - 6月5日
展覧会ディレクター:深澤直人

Photo: 大谷宗平/Nacasa&Partners, Inc.

ギャラリー3では2020年2月、「NO PROBLEM store @ 21_21」を開催しました。
NO PROBLEMは、日用品などの製造過程で必ず生まれてしまう、十分使えるのに正規品と同じ価格で販売することができないB品を、「NO PROBLEM(問題なし!)」として受け入れるプロジェクトです。これまで、展示会やタブロイドの出版などを通じ、つくり手、売り手、使い手である消費者が一緒になって、正規品とB品の基準を捉え直す機会を生みだしてきました。
NO PROBLEM storeは、これまでB品として扱われていた使用上問題のないものを、NO PROBLEM(NP)品として定価で販売する試みです。プロジェクトに賛同したVISION GLASS JP、SIWA|紙和、うなぎの寝床、tamaki niime、MARUGO、Awabi wareのほか、21_21 DESIGN SIGHT SHOPのNP品がギャラリー3に並びました。
会場では、各製品の検品基準を、参加ブランドの声とともに丁寧に解説するほか、NO PROBLEMプロジェクトのこれまでの歩みを、スライドショーで紹介。NP品のお買い物を楽しみながら、その考え方にも触れることができるプログラムとなりました。

企画展「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」に関連して、『Tokyo Midtown STYLE』42号に、展覧会ディレクター 田川欣哉と、デザインエンジニアで、日本デザインコミッティーのメンバーでもある山中俊治のインタビューが掲載されました。
田川は本展の企画意図について、山中は自身のスケッチについて語りました。
下記ウェブサイトでも紹介されています。18-20ページをぜひご覧ください。

>> 東京ミッドタウン ウェブサイト

『Tokyo Midtown STYLE』42号

「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」の会場から、26名の参加作家のうち5名による作品の一部をピックアップ。プロダクト、グラフィック、建築など、多様なデザイン領域の第一線で生まれたものの原点が、それぞれどのように表現されているのか、デザインジャーナリストの土田貴宏が考察します。

乳酸菌飲料「ヤクルト」は、日本に暮らす人なら誰でも目にしたことがあるでしょう。その容器は、日本のインテリアデザイナーの草分けである剣持 勇と、彼が設立したデザイン事務所で代表を長年務める松本哲夫によって、1968年にデザインされました。松本さんは日本デザインコミッティーの現役メンバーの最年長のひとりで1929年生まれ。当時は事務所のチーフデザイナーとして、それまでガラス瓶入りだったヤクルトを、プラスチックの容器へと一新しました。

本展のポスターやフライヤーに使われ、会場でも象徴的に展示されているのは、ヤクルト容器をデザインする過程で試作された石膏模型(復元)です。近年は、こうした立体のデザインでは、コンピュータで制作したデータを3Dプリンタで出力し、形状を検証するのが一般的です。しかし当時は、石膏、木、粘土などを素材に手作業で試作を行うことが広く行われていました。現在に比べると、試作にも慎重さが求められたに違いありません。飲み物の容器としては異例の小さなサイズや、日常的な使用にふさわしい丈夫さとコストなど、制約も大きかったはずです。明確な個性をもちながら、やがてスタンダードな存在となったヤクルトの形は、当時から変わらず今も親しまれています。その認知度の高さは、2010年に立体商標として認められたことによっても証明されました。

1986年にパッケージを変更し、日本のティシューの定番になっているのが、グラフィックデザイナーの松永 真がデザインした「スコッティ」です。この年に実施された国際コンペを松永さんが勝ち取り、かつてない洗練されたデザインが誕生しました。ただしコンペでは、本来、パッケージに花柄と既存のロゴを使うことが条件だったといいます。松永さんは思い切って自分の感性に従い、条件に反したデザインを提案。結果、見事に採用が決まります。「花が本来持っている優しさ、柔らかさ、好感度」を、7文字のアルファベットによる新しいロゴに移行したのだと、松永さんは自著『松永真、デザインの話。』で語っています。この本は本展会場のライブラリーコーナーで読むことができます。

松永さんは、スコッティの他にも「カルビー」「ブレンディ」「ベネッセ」など多くのブランドのロゴをデザインしているグラフィック界の大ベテランです。たとえばカルビーのロゴは、スタジアムの広告スペースなどに掲示された際、見る角度によって文字の形が変わることも考慮して、縦横のバランスが検討されたようです。

「㊙展」の中でひときわ圧巻なもののひとつが、建築家の隈 研吾のコーナーです。展示ケースの内部を埋め尽くしているのは、隈さん自身による膨大な量の走り書き。その上には、今年、完成するJR高輪ゲートウェイ駅のためのバリエーション豊かな試作模型がいくつも並んでいます。

折り重なっている手書きのメモには、雑誌への寄稿文らしきものとともに、「La Kagu」「スタバ」「富山クレオン」といった、隈さんが設計に携わった物件の名前が読めます。世界各国で多数のプロジェクトを同時進行している彼は、自身の考えをこのようなメモで事務所のスタッフに伝達し、それをもとに設計が進んでいくのです。つまりこのメモが、隈さんの創造の基点となる"原画"。一連のメモから伝わってくるのは、あふれるような発想の力と思考のスピードで、その勢いを受け止めて一緒に展示してあるような試作模型が生まれます。ちなみにメモの文章をすべて正確に読解できるスタッフは、事務所にひとりしかいないそうです。

La Kagu ©Keishin Horikoshi / SS Tokyo
スターバックスコーヒー 太宰府天満宮表参道店 ©Masao Nishikawa

暮らしに根づいた家具や生活用品を多くデザインする小泉 誠の展示ケースは、隈 研吾とは対象的に、静かな時間の流れを感じさせます。そこに置かれたキャプションには「デザインの素は、つくり手の技と心意気、そして創意工夫した過去の形が手本です」とあります。小泉さんは、自身によるプロダクトや試作品と区別せずに、古道具と呼んでいいオブジェをいくつも並べました。古びたものがもつ、機能と結びついた形や、使い込まれた表情、無駄のなさが生む美しさ。彼のデザイナーとしての魅力が、そのような要素と深いところで結びついていることがわかります。

「㊙展」はそもそも、すぐれたデザインの原点にあるインスピレーションを、幅広い世代の人々で共有しようと企画された展覧会です。インスピレーションは、時には手描きのスケッチの最中に、時には試作の過程に、つくり手の中に舞い降りてきます。小泉さんの場合、それは過去に人々が生み出したものとの対話の中にあるのかもしれません。時を経たオブジェと彼自身によるデザインが併置されることで、シンプルなフォルムが語りかけてくるように感じます。

電子体温計「けんおんくん」Photo by Koji Miura

プロダクトデザイナーの柴田文江は、日本デザインコミッティーのメンバーの中でも若い世代にあたります。代表作のひとつである電子体温計「けんおんくん」の試作では、形状の検討に3Dプリンタが使われました。柴田さんは、もともと手描きのスケッチをほとんど用いることなく大半のデザインを行うといいます。手で粘土をこねて形をつくり出すのに相当する作業を、コンピュータの中で3Dデータを加工しながら行うのです。その結果を手にとって検証するため使うのが、3Dプリンタで出力したグレーのモデル。現在は3次元のデータを扱うアプリケーションの発展により、こうしたプロセスで形態の完成度を高めるデザイナーが増えています。この進め方には、データをメーカーと共有し、そのまま製造に活かせるというメリットがあります。

そのため、柴田さんの展示ケースには"原画らしきもの"があまり見当たりません。しかし完成したデザインには、柴田さんらしいラインがはっきりとあり、人間性さえ伝わってくる気がします。デザインのためのツールが時代や世代によって変わっても、つくり手と最終的な形態は密接に結びついているのです。

「㊙展」では他にも芸術家、工芸家、評論家など、計26名の多様な領域で活躍する作家の作品が展示され、それぞれのクリエイションの原点にあるものを伝えます。そのセレクトや構成も参加作家ごとに趣向が凝らされ、各々の世界観を垣間見せてくれます。何度、足を運んでも、新しい発見があるに違いありません。

文/写真・土田貴宏

ギャラリー3では、2月14日まで、「Hacoa Exhibition & Shop 木工とチョコレートの関係」が開催されています。
1500年の歴史を誇る越前漆器の産地・福井県鯖江市でうまれた木製デザイン雑貨ブランドHacoa(ハコア)は、伝統工芸品の産地が衰退を続ける中、技術継承と後継者問題を解決したい、という想いのもと、日々ものづくりと真剣に向き合っています。
多くの若者たちが、「ここで働きたい」と全国から田舎に移住してくる理由は、「変えてはいけないもの、変えるべきもの」を見極め、進化し続けるものづくりへの実直な姿勢に共感してくれるから。
そんなHacoaが、今、なぜ、チョコレートをつくるのか? ブランドの歴史や商品開発のプロセス展示、販売とワークショップを通して、その理由を解き明かします。ぜひご来場ください。

2020年1月25日、企画展「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」に関連して、クロストーク「建築のマル秘 内藤 廣×田根 剛」を開催しました。
日本デザインコミッティーのメンバーである内藤 廣が、ゲストに田根 剛を迎え、「建築」をテーマに語り合いました。モデレーターを、展覧会ディレクターの田川欣哉が務めました。

本トークは、田根が、会場に展示されている内藤の"原画"について、内藤本人に尋ねる形式を用いました。
内藤が自身の持つ二面性を描いたスケッチ「青鬼と赤鬼」には、建築をつくるときの葛藤や矛盾が表れているように感じたと田根は言います。クリエイターである一方、社会との整合性をとる必要もある、建築家という職業。人間を本質的な対象とするため、ものごとを処理したりまとめ上げたりすることと逆のモチベーションもあるはずだと、内藤は答えました。
また、「デザインの領域の再構成」や「ArchitectureとDesign」といったスケッチについては、描かれた図をスタートに、国内外の社会思想やデザインに対する捉え方にも話が及びました。
さらに田根が選んだのは、内藤の手帳に貼られた「民法」の条文。「私権は公共の福祉に適合しなければならない」という一文に、建築やデザインはどう関わるのかという各々の意見を述べました。
トークの最後には、未来に関する議題があがり、世界を取り巻くテクノロジーや新たな技術、モノとコトの関係性などを語りました。

2020年1月11日、企画展「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」に関連し、ギャラリートーク/原画解説「頭の中のキラキラを外に出すプロセスのマル秘」を開催しました。グラフィックデザイナーであり、日本デザインコミッティーのメンバーでもある原 研哉によるイベントです。

「人々の頭の中のイメージは大体キラキラしているものだが、それを外に出してしまうとたいていの場合、萎んでしまう。プロフェッショナルは、そのイメージが損なわれないよう外に出す技術を磨いていく必要がある」と語る原。トークでは、会場にて展示されているスケッチを中心に、自らが関わったプロジェクトのプロセスを説明しました。

雑誌『一冊の本』表紙では、スーパーリアルの画家 水谷嘉孝に仕上げてもらうための原画を、原は約25年前から描き続けており、イメージをリアルなかたちとして表出するプロセスを、具体例をあげながら解説しました。

「HOUSE VISION 2016 TOKYO EXHIBITION」では、精細なスケッチが描かれた台割に基づく書籍編集によって展覧会のディレクションを行なったことなどに触れ、原が、頭の中に描いたイメージを、どのようにスケッチに落とし込み、グラフィックや展覧会を成り立たせているかについて語りました。

台割に添った精細なスケッチは、書籍の編集デザインであると同時に、展覧会のディレクションの中核的な作業であることを説明しました。「建築としての展示ハウスの把握や、それを写真としてどう表現するかを、細部にわたって描いていくことで展覧会ディレクターとしての準備作業が完成していく」という原の解説は、自身のスケッチの意味を分かりやすく解きあかすものでした。

2018年に21_21 DESIGN SIGHTが開催し、好評を博した展覧会「AUDIO ARCHITECTURE展」の、台湾・台北への巡回が決定しました。
2020年夏、華山文化創意園區(Huashan 1914 Creative Park)で開催されます。2016年の「単位展 in 台北」に続き、INCEPTIONが主催します。
小山田圭吾(Cornelius)が書き下ろしたひとつの楽曲を軸に、9組の作家による多彩な映像作品とインテリア、グラフィック、テキストまで、あらゆる要素がそれぞれの固有性を発揮しながら連動し、調和し続ける... あの「音楽建築空間」を再び体感していただける機会となります。
展覧会ディレクターの中村勇吾は、台北展開催にあたり、「よい音楽は軽々と国境を越えていきますが、この展覧会もそのようなものであれば、と願っています。」とコメントしています。
どうぞお楽しみに!

This Summer, "AUDIO ARCHITECTURE" Exhibition, directed by Yugo Nakamura and organized by 21_21 DESIGN SIGHT in 2018, will travel to Taipei, Taiwan.
Following the success of "Measuring Exhibition in Taipei" in 2016, it will be held by INCEPTION again, but in a new venue, Huashan 1914 Creative Park.
Based on a piece of music composed by Keigo Oyamada (Cornelius) exclusively for the exhibition, 9 films created by a variety of artists, interior, graphic and even text relate each other. Each has its own identity, and all elements work in conjunction with the music, creating a continuous harmony...... You will be able to immerse yourselves into this "audio architecture" again.
Please stay tuned!

Facebook: https://www.facebook.com/inceptionltd/
Instagram: https://www.instagram.com/inception_co/
Official Website: https://www.inception-ltd.com/

Photo: Atsushi Nakamichi (Nacása & Partners Inc.)

「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」に展示されている"原画"は、つくり手の世代、作風、目的などによって豊かなバリエーションがあります。そこから各々の姿勢を読み解くのが、この展覧会の大きな楽しみです。ここでは、そんな"原画"の一部をデザインジャーナリスト 土田貴宏による解説とともに見てみましょう。

デザインも、アートも、評論も、あらゆる表現活動は完成したものが世の中に発表され、長期間にわたって多くの人の目に触れていきます。しかし今回の「㊙展」がフォーカスするのは、つくり手の発想の基点になったものや、制作の過程で生まれたものなどが伝える、クリエイションの鍵になったひらめきです。そのほとんどは世に出る機会のない、つまりはつくり手にとって「㊙」の存在。完成したものからは窺い知ることの難しい、ものづくりの圧倒的なダイナミズムが、そこに詰まっています。

たとえば1940年生まれで、1979年から日本デザインコミッティーに参加しているデザイナーの川上元美さんには、下のような椅子のスケッチがあります。

© Motomi Kawakami

このスケッチは、ドラフター(定規などの製図用具をそなえた製図台)で描いた黒の線画に、彩色を施したものです。全体のフォルムは直線を基調にしていますが、手描きならではの曲線がところどころに用いられているのがわかります。またフレームは木で、座面は布地張りでできていることが、パステルのような画材による彩色で表現されています。それぞれの微妙な色合いや雰囲気を、手描きの筆致によって伝えているのです。拡大部分の線画を添えることで、細部のイメージも明確にしてあります。

このような椅子をデザインするプロセスの中では、よりラフなスケッチやドローイングから、数値などを記した図面まで、3次元のフォルムを2次元で表現する段階がいくつもあります。上のスケッチは、その中間のものと位置づけられるでしょう。デザインのイメージを的確に伝えるとともに、ディテールなどの検証を可能にするために役立ちます。

© Motomi Kawakami

また上のスケッチは、陶磁器をデザインする過程で描かれたものです。先ほどの椅子のスケッチとは違い、すべて1本のペンでフリーハンドで描かれています。多くが円錐を基調にしているものの、さまざまな形状の器が1枚の紙に描かれていることから、デザイナー自身もまだ明確なイメージを掴めていないことが想像できます。器を真横から見た状態や、斜めから見た状態が混在し、線を重ねて描いた部分もあります。デザイナーはこうして自由に手を動かしながら、デザインのインスピレーションを確固としたものへと高めていくのでしょう。

© Motomi Kawakami

こちらもフリーハンドで描かれた、3脚のアームチェアのスケッチです。座面、背もたれ、それを支えるフレームは共通で、脚部の形状のバリエーションを考えている過程のようです。すべてフレームは鋼管を用いており、青い椅子はキャスター付き、緑の椅子はスタッキング仕様、赤い椅子は前脚のみのキャンチレバー(片持ち構造)が特徴になっています。オフィスでの使用を前提にしたものらしく、形は違っても統一感があります。あえて正面や横からではなく、斜め後ろから見た状態で形態を検証しているのも興味深いところです。

現在は、手描きのプロセスを踏むことなく、最初からコンピュータの中で3次元のデータを操ってデザインを発想するデザイナーも増えているようです。早い段階からデジタル技術を使って立体データを制作すれば、あらゆる角度からフォルムやディテールを確認でき、修正も容易で、色彩や素材感を自由に変更することが可能です。川上さんの仕事でも、コンピュータを使うことが増えてきたと言いますが、手で描いたものの人間味にも愛着があるようです。こうした感覚については、デザイナーの世代や各々の経験が反映されることでしょう。

川上さんは、橋、公共空間、インテリア、家具、日用品など幅広いものを手がけています。その課題に求められる要素を適切に満たし、高度な精度感のある、端正な印象のデザインが多いようです。それらは多くの人々が使うのにふさわしい普遍性や汎用性をそなえていますが、同時にデザイナーの個性を感じさせるのは不思議です。自身の手を使って最初に掴んだイメージが、いくつもの段階を経ても揺らぐことなく貫かれているからに違いありません。

文・土田貴宏

2019年12月13日、企画展「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」に関連して、クロストーク「プロダクトデザインのマル秘 深澤直人×鈴木 元」を開催しました。
日本デザインコミッティーのメンバーである深澤直人が、ゲストに鈴木 元を迎え、「プロダクトデザイン」をテーマに語り合いました。モデレーターを、展覧会ディレクターの田川欣哉が務めました。

トークでは、深澤が手がける家具シリーズ「HIROSHIMA」などを例に、デザインの着想、具体化、商品化といったプロセスについて語られました。
マルニ木工との協働で生まれた「HIROSHIMA」のアームチェアは、木目と緩やかなカーブが美しく、シンプルながら精緻なデザインを特徴としています。
深澤のアイデアスケッチには、完成品とほぼ変わらない当初のデザインが描かれていますが、このイメージをそこなうことなく製品化するには、マルニ木工と職人の技術力が欠かせませんでした。
深澤は、このような製造段階での仕事を理解することや、クライアントと対話を重ね、商品を求めている人の視点を得ることが、デザインのプロセスにおいて重要だと述べました。

また、「かたち」ではなく「すがた」をデザインするという深澤は、周囲との調和や雰囲気を重視し、プロダクトを直観的に見ることを大切にしていると言います。
これは、深澤が館長を務める日本民藝館の創立者であり初代館長の柳 宗悦が説いた民藝への眼差しにも通じています。

トークの最後には、参加者との質疑応答が行われる中で、それぞれのプロダクトデザインの展望が語られました。
「良いデザイン」を求める人々が増えることが優れたデザインを生みだす土壌になるとし、デザイナーだけでなくユーザーの意識の変化がデザインの発展につながることを伝えました。