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小池一子 (4)

2012年12月1日、カンバセーション 横尾忠則、和田 誠を開催しました。

12月4日(火)より、竹中工務店 GALLERY A⁴では、1964年の創刊より田中一光がアートディレクションを手掛けた竹中工務店の季刊誌『approach』の200号を記念して、その半世紀にわたる編集・発刊の全貌を振り返る展示「approach200 1964-2012」を開催しています。

会場には、企画展「田中一光とデザインの前後左右」ディレクター 小池一子のインタビュー映像も紹介されています。
誌面で特集されたテーマを「Design & Art」「Nature & Environment」「People」など6つの分野に分けた展示構成ですが、特に興味深いのは、制作時の資料などのたくさんの書籍群。本をとおして 「approach」誌の特色が伝わる、本好きにはたまらない展覧会です。


「approach200 1964-2012」会場風景

「approach200 1964-2012」会場風景

会期:2012年12月4日(火)~2013年1月31日(木)10:00~18:00
休日:土・日・祝日、年末年始[2012年12月31日(月)~2013年1月4日(金)]
場所:GALLERY A⁴(ギャラリーエークワッド)
   〒136-0075 東京都江東区新砂1-1-1 竹中工務店東京本店1階
   http://www.a-quad.jp/
   *入場無料
【竹中工務店お問い合わせ】
GALLERY A⁴(ギャラリーエークワッド)
TEL 03-6660-6011

2012年9月29日、「田中一光とデザインの前後左右」展オープニングトーク「祝福された時間と創作」を開催しました。

本展ディレクターの小池一子はまず、「過去の偉業だけではなく、今この時代に何を提案できるか」を考えてまとめたという展覧会コンセプトを解説。戦後のモノクロームの社会から色のある美しい生活世界を思い描き、創作に生きた、田中一光の「祝福された時間」について語りました。
本展で会場構成とグラフィックデザインを手掛けた廣村正彰は、田中一光デザイン室で過ごした11年間を振り返り、「その時代時代で田中先生が何を考え、仕事を通して社会とどのように接してきたか、『前後左右』の『前』(=Future)をいかに展示するか」を熟考したと話しました。

続いて、田中一光の作品やデザイン室の資料を保管する「DNP文化振興財団」でのリサーチプロセスを紹介。小池は「このアーカイブがあってこそ実現した展覧会」とアーカイブの重要性を説き、廣村は「給与明細や鉛筆の一本一本まできちんと保管している」アーカイブのあり方に、驚きとともに敬意を表しました。
廣村はまた、手書きから活字、写植、フォントまで、「デザイン人生を通して文字に強い興味を持ち続けた」田中の姿を、展覧会ポスターの「T」(光朝)と「一」(活字)で表現したと語りました。1960年代に田中と出会い、芝居好きで意気投合したという小池は、「アートディレクターは、イタリアンオペラのアリアを聴いて、劇場を出たら屋台でおでんをつっつくようなダイナミックさを持つこと」という田中の言葉を紹介しました。

トーク後半は、田中の代表作として知られる5点のポスターを中心に、様々なエピソードを交えながら展開。田中がスタッフに突然紙を切るよう指示し、四角や三角、丸など、最も基本的な造形から生み出した傑作「Nihon Buyo」などの例をあげ、手作業から新しい発想や展開が生まれるデザインプロセスの可能性を示唆しました。
また、展覧会では紹介しきれなかった「田中一光デザイン室のお昼ご飯」(小池)や、「仕事の前にお礼状、料理、本棚の整理」(廣村)をしていたという田中の素顔にも触れました。満員の会場は、何よりも人が好きで、人が集まって創造する場づくりに情熱を傾けた、田中一光の暖かさに包まれました。

企画展「田中一光とデザインの前後左右」が始まりました。
日本を代表するデザイナー、田中一光の貴重な書籍やポスター作品をはじめ、本展で初公開となる田中一光デザイン室のアーカイブの数々を紹介しています。

展覧会ディレクターは小池一子、会場構成とグラフィックデザインは廣村正彰。
Semitransparent Design、三宅一生+Reality Lab.、廣村正彰が、田中一光の創作に触発されて制作した新作もお見逃しなく!

Photo: Masaya Yoshimura