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2018年11月 (3)

21_21 DESIGN SIGHT企画展「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」では、日本民藝館の所蔵品から深澤直人が選び抜いた146点を紹介しています。

本展の会期中、日本民藝館では3つの展覧会が開催されます。ここでは、2018年11月23日まで開催されている「白磁 Joseon White Porcelains」をご紹介します。

日本民藝館「白磁 Joseon White Porcelains」

2018年9月11日(火)- 11月23日(金・祝)

日本民藝館の初代館長である柳 宗悦が創始した民藝運動。そのすべての活動は、朝鮮陶磁器との出会いから始まりました。1914年、柳は、朝鮮から来日した浅川伯教より贈られた白磁の壺に心を奪われ、その感動を「その冷(ひややか)な土器に、人間の温み、高貴、荘厳を読み得ようとは昨日まで夢みだにしなかった。」と記しました。以来、度々朝鮮半島へ渡っては、陶磁器や木工品、絵画、石工品や金工品などを蒐集し、展覧会や文筆活動を通して、民族固有の工芸文化の素晴らしさを国内外に紹介していったのです。

現在、日本民藝館には、主として朝鮮時代につくられた約1,600点の工芸品が収蔵されており、日本国内の美術館としては最大級の質と量と誇っています。

本展では、無地の白磁をはじめ、白磁の素地に藍色に発色する酸化コバルトで文様を描いた青花(せいか)や、褐色に発色する鉄絵具で加飾した鉄砂(てっしゃ)、赤色に発色する銅顔料を用いた辰砂(しんしゃ)など、柳がことのほか愛しんだ白磁の優品約150点が紹介されています。朝鮮白磁が醸し出す、自由で無垢な美の世界をご堪能ください。

会場・主催:日本民藝館

*「白磁 Joseon White Porcelains」の入場券(半券も可)のご提示で、「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」の入場料が100円引きになります
*「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」の入場券(半券も可)のご提示で、「白磁 Joseon White Porcelains」の入場料が100円引きになります
*いずれも1枚につき1回1名限り有効、他の割引との併用不可

>>日本民藝館ウェブサイト

2018年11月9日、企画展「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」展覧会ディレクター 深澤直人によるオープニングトーク「民藝の夕べ」を開催しました。

はじめに深澤は、本展の主旨と、自身が館長を務める日本民藝館について紹介しました。
無名の職人たちによる民衆的工芸に美的価値を見出し、初めて「民藝」と名づけた柳 宗悦についても触れ、本展は、柳の思想を大切にしつつ、デザインのインスピレーションとなる民藝を紐解くことを目指したのだと述べました。
本展では、深澤の個人コレクションも展示しています。深澤は、プロダクトデザイナーとして「つくり手」である自身の想像を飛び越えた美しいものたちに、「民藝はなんて可愛いんだろう」と魅了されたと言います。さらに、その「可愛い」の基準や解釈についても語りました。

全国各地で優れた手仕事を続ける現代のつくり手は、自然や風土や伝統など、人の力の及ばないさまざまな要素が絡み合う美しさをつくり上げていると、深澤は考えます。また民藝には色、形、模様などに、それぞれの暮らしに根ざした地域性があることについても触れ、その土地でしか生み出すことができない表現についても語りました。

本展を直感的に楽しんでほしいと語る深澤。各々の頭に素直に浮かんだ言葉そのものが民藝の魅力であると述べました。

トークの最後には、参加者との意見交換を通して、深澤自身の見解を織り交ぜながら民藝の様々な側面について語りました。その言葉から、「デザインのインスピレーション」に通じるヒントを垣間見ることができ、本展をより深く楽しむ手がかりとなるトークになりました。

2018年11月2日、深澤直人のディレクションによる企画展「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」が開幕します。
ここでは一足先に、会場の様子を写真でお伝えします。

1925年、民衆の用いる日常品の美に着目した柳 宗悦は、無名の職人たちによる民衆的工芸を初めて『民藝』と名づけました。
無我な手から生み出される民藝に宿る無垢な美意識と精神性は、人々に大きな衝撃を与え、新しい時代のエネルギーを生み出すきっかけとなるのではないでしょうか。
本展は、これからのデザインのインスピレーションとなる「Another Kind of Art =民藝」を紐解いていきます。

撮影:吉村昌也