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2017年12月 (3)

2017年12月16日、企画展「野生展:飼いならされない感覚と思考」に関連して、フィールドワーク「野生さんぽ」を開催しました。
展覧会ディレクターの中沢新一と企画協力の山田泰巨の案内のもと、本イベントのために用意された「アースダイバーマップ」を片手に、六本木を散歩するイベントです。

アースダイバーマップとは、縄文海進期の地層図に、古墳の場所や現在の神社などを重ねて記した地図です。21_21 DESIGN SIGHTの位置する六本木・赤坂周辺は、都市開発が進んではいるものの、古来よりの場所も点在しています。そういった場所を巡り、タイムラインを体感することがこのフィールドワークの目的であると、はじめに中沢が説明しました。

参加者は、21_21 DESIGN SIGHTから街へと出発します。谷が多く、都市開発の対象となりにくかった六本木・赤坂は、戦後にアメリカ軍の統治の影響を強く受け、水商売や芸能の街として栄えたと中沢は言います。例えば、大通りを抜けると現れる飲み屋が立ち並ぶエリアは、元々農道であったため、坂道が錯綜するような構造となっていると説明しました。街が現在の姿に至るまでには様々な背景があることが実感されます。

朝日稲荷や氷川神社などを巡り、かつて古墳であったときの名残や過去の片鱗を見聞きすることで、人々の暮らしの変遷を辿っていきます。高層ビルが立ち並ぶ街のなかに、古のものが残っていることに驚き、感銘を受けます。

私たちが今立っている場所を、時空を超えて読み解くことで、普段と異なる視点で自らを取り巻く環境を楽しむ方法を提案した本イベント。都市における野生の発見方法を体感できる機会となりました。

21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3では、2017年12月6日から25日までアルテック(Vitra株式会社)主催による「FIN/100」が開催されています。

2017年、フィンランドは独立100周年を迎えました。本プログラムでは、これまでと今のフィンランドデザインを牽引するブランドが一堂に会し、この記念すべき年を祝います。

会期中には、「100のできごと」と題し、デザイン、ファッション、音楽、教育、アート、経済、文学など幅広い分野のトークやワークショップ、大小さまざまなできごとが起こります。それらのできごとを通して、フィンランドの文化や生活、歴史や価値観に触れる機会を、ぜひお楽しみください。

Photo: Petri Artturi Asikainen

2017年12月2日、3日の2日間、21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3では、フィンランド・アアルト大学、多摩美術大学、フィンランドセンターとの共催により、交流プログラム「Discovery in Process」を開催します。

本プログラムは、アアルト大学デザイン学科ファッション専攻の学生と、多摩美術大学生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻の学生が作品を展示・発表する大学間のコラボレーション企画です。プロフェッショナルを交えたパネルディスカッションも行い、両国の相互理解と文化交流を深めます。また、両専攻で学び、現在東京で活躍するファッションデザイナーの黒澤秋乃が、コレクション展示とパネルディスカッションに参加します。

フィンランドと日本、それぞれの文化の中でデザインを学ぶ学生たちの成果とその交流を、ぜひご覧ください。

写真:木奥恵三/Photo: Keizo Kioku