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「U-Tsu-Wa/うつわ」展の見どころ vol.3

2009年3月31日 19:43U-Tsu-Wa/うつわ,三宅一生

ルーシー・リィーとボタンの話

見事な釉薬の配合による独特の色使いと、仕上げに手仕事を加えた温かいフォルム。ひとつとして同じもののないルーシー・リィーのうつわの魅力は、どこから生まれたのでしょうか。

1938年、イギリスに亡命したリィーの暮らしは、自ら「キャベツの日々」と振り返るほど、厳しいものでした。彼女の生活を支えたのは、陶製のボタンづくり。金属の乏しかった当時、リィーはオートクチュールのデザイナーたちの様々な要望に応えながら、色やかたちの研究を行い、その後のうつわづくりの技術を身につけたと考えられています。本展を企画した三宅一生は、「ボタンは、ルーシーさんの創作の原点、出発点だったのだろう」と語っています。(展覧会関連書籍より

ルーシー・リィーのボタン
Photo: Hiroshi Iwasaki
会場風景
Photo: Hiroshi Iwasaki
ISSEY MIYAKE秋冬コレクション
Photo: FUJITSUKA Mitsumasa

1989年、リィーとの交流を深めていた三宅は、ISSEY MIYAKE秋冬コレクションで、そのボタンを使った服を発表します。リィー自身も、「ボタンが40年ぶりに息を吹き返した」と、心から喜んだそうです。そして、それから20年、21_21 DESIGN SIGHTに、当時の服が新しいスタイリングで登場します。「U-Tsu-Wa/うつわ」展の会場にちりばめられた606のボタンとともに、今を生きる服とボタンの姿を、ぜひお楽しみください。

陶のボタンをつくる、こども向けワークショップが開催されました。
4月4日(日)には、大人向けのボタンづくりワークショップも行われます。

[特別展示]
3月25日(水)より会期終了まで、ISSEY MIYAKE '89年秋冬コレクションで発表した、ルーシー・リィーのボタンを使った服を、新しいスタイリングでご紹介します。


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