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雪月花の数学 ―日本の美と心をつなぐ数"白銀比"―

2009年7月26日 21:39デザイン,トーク,科学,

サマースクール「デザインのコツ」:数学



数学はどこから来るのだろうか?
桜井からの問いかけでレクチャーは始まりました。
桜井は、数学は歴史を辿れば、全ての物事の「骨」になっていると言います。
私たちがものを美しいと心で捉える瞬間、私たちの心は定規のように正確に、その美しさの裏にある数学に反応しているのです。

桜井は自身が発見した様々な美を、数学的に裏付ける比率や数式を紹介。
例えば、新潮文庫本の表紙の葡萄の位置は、上下の余白が見事に1.6:1の黄金比となるようデザインされています。また、富士山の側面の稜線は対数関数式のカーブにぴったりと重なります。 そしてフィボナッチ数列の作る対数らせんの形状は、DNAや銀河の渦の形状と同じだそうです。このように数学は世界に存在するモノの形状に大きく関わり、美を根底から支え、また美の創造に役立ってきたのだと語ります。



桜井は目には見えない構造に気づき物事の真髄となる部分に触れることが数学者の感性だと言うように、想像がつかないほど幅広い文芸の分野において多くの数や数式を発見してきました。特に華道や俳句、寺などの建築物、日本の風景など、日本文化には非常に多種多様な数学が潜んでいることに会場は驚いた様子でした。

桜井によれば、日本人の感性は、古くから美しい文芸や風景を数式や数として心に焼き付けているそうです。日本の美の「骨」となっている数学を心の定規で感じ取ってもらいたいと熱く語りました。