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カンバセーション 三宅一生+Reality Lab.を開催

2012年10月13日、「田中一光とデザインの前後左右」展カンバセーション 三宅一生+Reality Lab.を開催しました。

はじめに、三宅一生と小池一子が登壇し、田中一光との出会いや仕事について語りました。田中一光の発案で制作されたという書籍『三宅一生の発想と展開 ISSEY MIYAKE East Meets West』(1978年、平凡社)は、日本の産地から生まれる世界服、ISSEY MIYAKEを「人間的に共鳴する人々に着てもらいたい」という三宅の思いをベースに、様々な人々が関わり、田中の強いビジュアルの編集力によってまとめられたといいます。

撮影:吉村昌也

次に、今回の特別出展者、Reality Lab.のメンバーを紹介。菊池学(テキスタイル・エンジニア)、山本幸子(テクニカル・エンジニア)を中心に、ベテランと若手のスタッフが参加する研究開発チームです。

「僕らの仕事には、職人や日本の技術との協力が欠かせない」(菊池)と言うように、再生ポリエステルからつくられるが職人の加工技術によって新たなテキスタイル素材に生まれ変わり、立体折り紙のアルゴリズムと服の構造を生かした折り畳みの技術によって、新たな衣服「132 5. ISSEY MIYAKE」が誕生する過程を説明しました。

続いて若手のスタッフ、板倉、河原、塩ノ谷、高橋が、展覧会に特別出展した「IKKO TO LONDON」について、実際のサンプルや衣服を用いながら、田中のグラフィックデザインに着想を得て、衣服がつくられる様子を語りました。最後に、現在進行中のもう一つのプロジェクト「陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE」も紹介しました。

撮影:吉村昌也

Reality Lab.設立時に、三宅から「アップサイクル」というテーマを与えられたと菊池は言います。それは「リサイクルとは全く異なる。『創造』を入れることが最も重要であり、よりよいもの、より幸福価値のあるものをつくること」(菊池)。このテーマが田中のデザイン世界と交わり、新しい価値が生まれるプロセスに、小池は「一光さんが生きていると感じた」とトークを締めくくりました。